親会社と顧客との間で再委託禁止条項を盛り込んだ業務委託契約が結ばれていると仮定してください。
親は営業と管理だけというと会社分割による子会社化でしょうか?であれば契約は包括的に継承されるので、親が締結していた業務委託契約は子会社に継承されます。
単に親会社が契約した内容を、既存の子会社に委託するとしたら、再委託になります。
http://www.adire.jp/keiyakusho_sakusei.html
自分でも出来る契約書の作成/アディーレ法律事務所
委託契約においては、民法第644条に基づき、受任者の善良なる管理者としての注意義務が発生します。よって、この善管注意義務を履行しているか否かを確認するため、監査条項を盛り込み、定期的に委託先を委託もとの基準で管理するわけです。
善管注意義務についてはこちら
→どちらかというと、そもそも親会社が取引先と締結している基本契約書に対する覚書を作成し、取引先は、親会社の再委託契約に基づく監査規定を遵守することを考慮し、再委託先子会社を認めるという契約を締結する方がいいでしょう。
昨今、実体がつかめない再委託によりコスト削減を図る企業が多いための条項であり、子会社のように実体がつかめている企業であれば、そもそもの基本契約もしくは、覚書で双方の合意を得ておくべきです。
顧客との契約にある再委託禁止条項そのものを見直すべき、という理解でいいのでしょうか。
顧客との契約はそのままで、再委託ではない、と言いたいのですが無理でしょうか。
http://changes.air-nifty.com/kojinnjyouhou/2005/01/post_19.html
『個人情報保護の鬼!』 : 「再委託」
再委託禁止条項の趣旨は様々ですが、現在最も注目されている理由は、個人情報保護法関連事項です。
そもそも、再委託禁止条項が一般化したのは、自衛隊のデータ処理事業をオウム関連の企業が再受託し、自衛隊関連情報がオウム真理教に漏洩したことから、上場企業が主体となり契約書に再委託禁止条項を設定し始めたのです。
よって、再委託禁止条項の趣旨は、委託先が評価し得ない企業に再委託をさせることを防止することが目的であり、再委託自体が禁止条項ではないのです。
ご質問の趣旨は、子会社に委託することを再委託とみなしたくないということですが、事実として委託していることを、委託先に黙秘することは、受任者の善良なる管理者としての注意義務違反であり、最悪の場合は契約解除に該当する行為です。よって、変な対応をせず覚書を締結することをお勧めします。
なるほどー。
>「契約を包括的に継承する」ために親子間でやっておかなければいけないこと、もしくは条件などがあれば教えてください。
引用したURLにも書いてありますが「会社分割により,承継の対象とされた営業に係る権利義務は,分割計画書等の定めるところに従い,合併の場合と同様に,一括して法律上当然に,分割をする会社から分割によって設立する会社等に移転します。」
ですので個別の手続きは不要なんですが、そうだと契約の当事者が知らない間に変わっていた・・・なんてことになりかねないので、分割の前に「分割計画書」を作って当事者に告知する必要があります。回答では既に会社は分割されているように思えますので、親子間でこれをやっておかなくてはならないということは、現時点ではありませんが、契約の相手先が会社分割制度についてよくご存知でないと揉める原因にもなりかねないので、そちらの方を優先したほうが良いでしょう。
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/00-34/yamashit.htm
会社分割法制の創設と営業譲渡(山下)
ここもご参考。
営業譲渡=契約の相手方の個別の同意が必要
会社分割=同意を得なくてもOK
というところがポイントです。
なるほどなるほど。
ちなみに、これは分割後に請け負った業務についても適用されるのでしょうか。それとも分割後に請け負った業務については別な方の回答どおり、顧客の同意を得ておく必要があるのでしょうか。
なるほどなるほど。
ありがとうございます。
おっしゃるとおり会社分割による子会社化を行っています。
この場合、100%子会社じゃなくても同様に考えることができるのですよね?
また、「契約を包括的に継承する」ために親子間でやっておかなければいけないこと、もしくは条件などがあれば教えてください。