実際に読んだ本で、軽くストーリーの紹介と読んだ感想もお願いします。
ジャンルは問いません。
さらに、1-3位に含まれていてもいなくてもいいので、
他人に是非コレは勧めたい!というものを勧めてください。
(こちらは絶対ではありませんので、答えなくて頂かなくても構いません)
1位「お目出たき人」武者小路実篤
口をきいたこともない女をすきになる主人公。自分では告白できず周りのつてを頼ってその女と付き合おうとするが、女のほうは主人公のことをそれほど好きでもない。頼られた周りの人間は、主人公を傷つけまいとやんわりと諦めることを勧めるが、はっきりと断られていないことを理由に、本当は女は自分のことが好きなのに周りから邪魔されて本当のことが言えないんだと都合のいい解釈をする女々しい男の話。
感想:馬鹿だと思った。
2位「オリンポスの果実」田中 英光
ロサンゼルスオリンピックへ向かう選手たちを乗せた船の上が舞台。
主人公はある一人の女を好きになるが、その性格のせいで告白することはできない。おそらく相手から嫌われていないということは分かっているのだが、断られたときのことを考えて告白することができない女々しい男の話。
感想:イライラした。
3位「異邦人」カミュ
ただ毎日を何となく過ごしている主人公。ある日、ふとしたことから人を殺してしまう。動機なんて無い。そのことを説明するのさえ面倒臭がる男の話。
感想:共感した。
1:坂の上の雲 司馬遼太郎
【ストーリー】
同じ松山で生まれ育った正岡子規と、日露戦争で活躍した秋山兄弟。子規は病と闘いながら俳諧の革新に挑み、秋山兄弟はそれぞれ日本の騎兵、海軍の技術向上に尽力した。当時最強とうたわれたロシアのコサック騎兵を打ち破るべく、ひたすら仕事に打ち込む兄好古と、文学の世界に未練を残しながらも海軍に入隊し、海軍戦術を研究し続けた弟真之。2人のまじめな努力の成果は、歴史が証明している。
【感想】
少々長い小説ですし、司馬さんの「余談」がふんだんに盛り込まれていますので、読み進める困難がある方もいらっしゃるかもしれませんが、たゆみない努力と人間関係が全て結晶にかわるラストシーンは素晴らしいです。
2:博士の愛した数学 小川洋子
【ストーリー】
世界は驚きと歓びに満ちていると、博士はたった一つの数式で示した――。著者最高傑作。
彼のことを、私と息子は博士と呼んだ。そして博士は息子を、ルートと呼んだ。ルート記号の中に数字をはめ込むとどんな魔法が掛かるか、三人で試した日のことはよく覚えている――。記憶を失った天才数学者と幼い息子を抱えて働く私の出会いと幸福な一年。小説の奇跡とも言える、上質でせつなく知的な、至高のラブ・ストーリー。
【感想】
私は、こんなに優しくて美しい小説を今まで読んだことがありませんでした。現代小説の中でも傑作だと思います。なんどでも繰り返し読み、「博士」を出会いたいと思える一冊です。
3:定家明月記私抄 堀田善衛
【ストーリー】
紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ―源平争闘し、群盗放火横行し、天変地異また頻発した、平安末期から鎌倉初期の大動乱の世に、妖艶な「夢の浮橋」を架けた藤原定家。彼の五十六年にわたる、難解にして厖大な漢文日記『明月記』をしなやかに読み解き、美の使徒定家を、乱世に生きる二流貴族としての苦渋に満ちた実生活者像と重ねてとらえつつ、この転換期の時代の異様な風貌を浮彫りにする名著。本篇は定家四十八歳まで。
【感想】
一つの文化が最高潮に達する時代の雛形ではないかと思います。
作家が言う「文化が最高潮に達する時は、その時代の終焉」という言葉が響きます。定家という人間の面白味が完全に表現され、かつそれが、どの個人にもあてはまるのではないかと思わせてくれます。
坂の上の雲は読んだことがあります。
確かに「余談」が一杯でしたね。
長いからこそ読み応えがあるということでここは一つ。
博士の愛した数式はドラマ化もしてましたね。
見てはいませんでしたが興味はありました。
理系としては是非読んでおこうと思いました。
(理系関係ないですが。
定家明月記私抄、定家の私本を現代版にしたといった感じですかね。
こういうのは学生時代に読むと興味が深まってよさそうです。
1位 世界の終りとハードボイルドワンダーランド 村上春樹
2つの世界が同時進行で進んでいきます。表すと静と動といった感じです。
登場人物は誰もがユニーク。
物語としても楽しめるし、文章の随所で考えされられます。
読みやすいので、1週間くらいで読んでしまいます。
2位 こころ 夏目漱石
先生が主人公に打ち明ける話が物語となって語られます。
先生の後悔と懺悔の告白が重くのしかかります。
少し重い話ですが、共感したり感情移入できます。
3位 箱男 阿部工房
題名どおり、箱に入っている男の話です。
男にとっての箱の役割というものが、何かと想像するのも
おもしろいかもしれません。
世界の終りとハードボイルドワンダーランドはファンタジーっぽい内容ですね。
ファンタジーは好きなので楽しめそうです。
こころは読みました。凹みました。
箱男も読みました。
結構気むずかしい本でした。
楽しめる人には楽しめる本だとは思うのですが。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%B4%A0%E8%A3%BD%E9%...
『水素製造法』はかんべむさしさんのショートショートです。
辞書だけで、文系人間が水素の作り方の論文を書く。というはなしですか、何か自分の方向性が決まった本の一つです。
あくまで、オススメは1-3位の回答のおまけ的につけていただきたくての質問だったのですが……。
1-3位全てを「水素製造法」が占めているという解釈を一応しておきます。
辞書遊びがキーワードですね。
キーワードを辿っていくという点を考えると、
インターネットの検索に近いですが、
辞書は関連情報が見えにくいのでなおさら突飛な方向に飛んでいくんでしょうね。
1位 ガープの世界
ガープという男の人生を描いた本。
人生って不合理・不条理・不可思議だよねー、という感じになれます。
うまく言えませんが、これまで読んだ小説のベストです。
2位 アルジャーノンに花束を
知的障害者が手術で、超天才になり、また急速に元に戻る話。
ベタですがこれもすばらしい本です。
生きていることに感謝したくなります。
3位 アシモフの「ファウンデーション」シリーズ&「I,Robot」シリーズ
文学的にすごいかといえば、そうではないと思うのですが
すべてのSFを見る目が変わります。
ガープの世界の世界は映画にもなってるんですね。
映画の評価も良いみたいだし原作も面白そうですね。
アルジャーノンに花束を。ハードカバーで持っております。
書き方にも特徴があって良いですね。
アシモフの「ファウンデーション」シリーズ&「I,Robot」シリーズ
トリビアの最初の台詞のあのアイザックアシモフですね!
読んだことないですが、素晴らしいんでしょうね。
暇があれば読んでみたいです。
一位 亡国のイージス 福井 晴敏
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062734931/qid=1143...
「在日米軍基地で発生した未曾有の惨事。最新のシステム護衛艦“いそかぜ”は、真相をめぐる国家間の策謀にまきこまれ暴走を始める。交わるはずのない男たちの人生が交錯し、ついに守るべき国の形を見失った“楯”が、日本にもたらす恐怖とは。日本推理作家協会賞を含む三賞を受賞した長編海洋冒険小説の傑作。」
まず序章で如月行という人物に惹きつけられ、読み始めました。
けれども第一章から読み進んでいくうちにだんだん専門用語が続出する様になり、一日数ページずつしか読みませんでした。
上巻の後半に入り、艦内に不審な出来事が勃発する所辺りから急におもしろくなってきて、下巻まで一気に読み終えました。
映画より専ら原作の方がおもしろいです。
打ち合いのシーンは心臓が高鳴り、とてもハラハラしました。
もの凄い臨場感を味わえると思います。
最後の最後まで意外な展開が多くて、本当に楽しめる一冊。
二位 錦繍 宮本 輝
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101307024/qid=1143...
「会って話したのでは伝えようもない心の傷。14通の手紙が、それを書き尽くした。
「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」運命的な事件ゆえ愛しながらも離婚した二人が、紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴る――。往復書簡が、それぞれの孤独を生きてきた男女の過去を埋め織りなす、愛と再生のロマン。」
もの凄く読み易い話です。
普通の小説とは違って、二人の手紙のやりとりだけで構成される物語。
宮本輝さんの文体は、とても言葉が綺麗で読んでいると心地いいです。
すんなりと頭に入っていく感じ。
この一冊で、何度も涙を流しました。
悲し涙でもなく、嬉し涙でもないのですが、何故か涙が溢れてきました。
読み終えた後は、人生って何なのかと真剣に考えてしまいました。
はっきりとした結末があるわけではありませんが、なんだか幸せな気分になれた気がしました。
三位 夏の庭 湯本香 樹実
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101315116/249-8629...
「 ひとり暮らしの老人と子どもたちとの奇妙な交流を描いた中編小説。世界各国でも翻訳出版され、映画や舞台にもなった児童文学の名作である。アパートの大家のおばあさんと少女のふれあいをつづった『ポプラの秋』や、「てこじい」という異形の老人が印象的な『西日の町』など、死に直面した老人と子どもというモチーフは、著者が一貫して描きつづけているテーマである。子どもだけではなく、幅広い年齢層に支持されている本書は、その原点となる作品だ。
小学6年の夏、ぼくと山下、河辺の3人は、人が死ぬ瞬間を見てみたいという好奇心から、町外れに住むおじいさんを見張ることにする。一方、観察されていると気づいたおじいさんは、憤慨しつつもやがて少年たちの来訪を楽しみに待つようになる。ぎこちなく触れあいながら、少年達の悩みとおじいさんの寂しさは解けあい、忘れられないひと夏の友情が生まれる。
少年たちがおじいさんから学ぶのは、家の手入れの仕方や包丁の使い方、草花の名前、そして戦争の悲惨さである。物語の終盤、父親に将来の夢を聞かれ、小説家になりたいと答えるぼくは「忘れられないことを書きとめて、ほかの人にもわけてあげたらいい」と語る。少しだけ大人になった少年たちを、目を細めて見つめるおじいさんの姿が目に浮かんでくるようで、思わず目頭が熱くなる場面だ。本書は、他人への思いやりと、世代の異なる者同士が語り合い、記憶を語り継ぐことの大切さを説いているのである。」
小学生の頃、国語の文章問題を解いたのがきっかけでこれを買いました。なので若年層向けの話だと思います。
これまでの文章からも御察しだと思いますが、大の活字嫌い、国語嫌いの私が初めて読んだ文庫本として強く心に残っています。
だんだんと心を開いていくおじいさんと少年達のやりとりがおもしろいです。
当時の私には、おじいさんが逝去する場面で死というものはとても悲しいものに感じ、思わず落涙してしまいました。
でもただ悲しいだけじゃない、人間の温かみも感じたお話です。
お勧め たのしい・わるくち 酒井 順子
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/416722805X/249-8629...
「「○○ちゃんって、すっごくいい子なのよ」「お医者さまに行ったほうがいいわ」「いいなあ、田舎がある人って」―だまされてはいけません。こんな台詞のウラにも、毒や悪意が隠されているのです。自称「年寄」の酒井順子が女のウソを看破する、痛快極まりない悪口の数々。巻末に長嶋一茂氏との対談「わるくちのススメ」も収録。 」
物語ではないのですが…
タイトルに惹かれて読みました。
女性に是非読んで頂きたい一冊。
共感できる部分が多いはず。
男性にもこれを読んで女のねちっこさ(笑)を感じて頂きたいです。
女性の悪口は妬み・僻みからきているということを改めて痛感。
私も「あのセリフは使わない様にしなきゃなぁ」と反省した所が少なからずあります。
もう既にお読みになった本ばかりかもしれませんが、少しでも御参考になれば幸いです。
亡国のイージスは良かったですね!
ただ言葉が難解なので理解しつつ読んでいっていたらすごい時間が……。
映画は説明が省かれすぎていて意味がわからなかったとかどうとか。
やっぱり原作ですね。
錦繍、手紙だけとはすごい内容ですね。
しかし、現代ではこんなにコミュニケーション手段が発達してますが、昔は手紙でしたからね。
手紙で心を伝えられないはずはない!
夏の庭は小学生が読んでも大丈夫な作品のようですね。
その年代が読めると言うことは純粋なお話でしょうね。
たのしい・わるくちは怖そうですね……。
こうしてまた怖さを知るんですね……。
私は適当な読み方をするので、え?あれは読んでるのにこれは読んでないの?というの多いですので、大丈夫です。
まだまだ募集しますので、どうぞ。
ちなみに、ライトノベルでも構いません。
1.どちらかが彼女を殺した 東野圭吾
妹を殺された男が捜査を続ける上で2人の容疑者が浮かび上がります。
小説の最後までどちらが殺したかが読めません。
オススメです。
2.0の殺人 我孫子武丸
「かまいたちの夜」のストーリーを書いた作家の人の作品です。
かまいたちと同様ミステリーとは思えないギャグが小説の随所に出てきて楽しめます。
誰にも犯行が不可能な連続殺人事件が起こっていきます。ミステリーのトリック自体もなかなか意表をつくもので面白いかと思います。
3.4日間の奇蹟 朝倉卓弥
指を失ったピアニストと、脳に障害を持つ少女と、旅先で出会った女性との間で起こる不思議な出来事の話です。
表現力も新人なのでまだまだだし、設定や展開は使い古されたようなものですが、生きている素晴らしさを感じられるようなさわやかな作品だと思います。
1「豚の死なない日」
ヤングノベルとしてアメリカで流行った本で、母が知り合いに薦められたのを買ってきたので読みました。
外国の小説はいかにも「翻訳しました」的な文章で苦手なので長い間放置してたのですがこの前気まぐれに手にとってみて、のめりこんでしまいました。
質素を美とする厳粛な宗教の下に生活する農家の少年の話です。
途中まではあまり心ひかれなかったのですが、ラストにはがっつり引き込まれて、最後はぼろぼろに泣いてしまいました。
2「亡国のイージス」
なんと説明すればいいのか...専門用語も多く、内容も入り組んでいるので申し訳ありません。上手く説明できません。
一回目読んだときはどんどん予想を裏切る展開に目を奪われました。
2回目から伏線らしきものに気づきだし何回読んでも楽しめます。
とても魅力的な人物が多く何度も泣いてしまいました。
3「ようこそ地球さん」
星新一が好きでどれをあげたら良いのかなかなか選べなかったのですが一番好きなこの本にしました。
星新一さんらしい鋭い視点での皮肉を含んだ社会批判(?)には読んでいてなんどもどきっとさせられます。
最近読んだものの中でとか、このジャンルで、といった感じだともうちょっと違ったものが出せたと思うのですが、
人生の中で…となるとどうしても古典ばかりがでてきてしまいます。
1.指輪物語
ファンタジーの古典ですね。
映画がドーンとヒットするなどこの本を読んだ頃には思いも及びませんでした。
映画化できないと思っていたし、できても満足いくものではないだろうと思っていました。
現在のファンタジー系のRPGにはかかせない要素が詰まっていますが、これは人類学を修めた方だからこその発想なんだろうと思います。
同じく文化人類学者のアーシュラ・ル・グウィンのゲド戦記もかなり好きです。
2.ホームズ全集
シャーロック・ホームズの冒険―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)
シャーロキアンというわけではないですが、とりあえずミステリ好きとしては正典を挙げておくべきかと。
ポー全集とちょっと迷いました。
いろんなところで引用され、いろんな形で登場してくるホームズ氏ですが、その魅力を解説するには私の能力は貧弱です。
ただ、私の「探偵好き」の元だとは思います。
3.ウェルズSF傑作集
古典で締めます。
これが今から100年以上も前に書かれたものかと驚くのと同時に、
どこかで読んだような内容がたくさんある短編集です。
それもそのはず、だってこれが「元」なんですから!
とくに「タイムマシン」については、この話がなかったら、ドラえもんのあのタイムマシンはなかった→ドラえもんは過去に来れない→ドラえもんは成立しない…と思っているんですが。
以上特に好きなジャンルの中で自分の基礎になっていると思う作品を挙げてみました。
番外:おすすめ
日本の黒い霧
自分が戦後史フェチと社会派ミステリにハマるきっかけを作ってくれた本です。
この本もいろんなところでお目にかかりますが、
今活躍中の作家でこうした試みをやってくれないものかなとおもいます。
海外ではパトリシア・コーンウェルの切り裂きジャックの真相に迫った「真相」もおもしろかったです。
コメントは最後に一括でします。
まだまだ募集していますのでどうぞ。
1、「熊の場所」舞城王太郎
最近ようやく文庫になりました。
<内容>
あなたの「熊の場所」はどこですか?
舞城王太郎の魅力を余すところなく表現した傑作集!
僕がまー君の猫殺しに気がついたのは僕とまー君が2人とも11の時、つまり同じ保育所に通っていた僕たちが一緒に西暁小学校に上がり、同じ教室で勉強し始めて5年目の頃だった。<本文より>
文芸界を駆け抜ける舞城王太郎の第1短編集が満を持してのノベルス化。猫殺しの少年「まー君」をめぐる表題作『熊の場所』を含め、『バット男』『ピコーン!』の全3編を収録。何が飛び出すか誰にもわからない舞城王太郎ワールドが炸裂する!! (Amazonより)
舞城ほど好き嫌いが分かれる「純文学」作家はイマドキいないような気がします。わたしは、最初、この本を読み始めたとき、吐き気がして、しばらく表題作が読めませんでした。村上春樹チルドレンと紹介されることがありますが、ノベルス作品は特に村上春樹作品・村上春樹翻訳作品・その他映画からの引用が多いです。
ちなみに、この作品は、文庫になる前にノベルス
を経ています。この作品は単行本の装丁が好き(手触りが独特なので)
という人が多いかと思います。収録作の「ピコーン」は漫画にもなっています。
わたしは、収録作の中では「ピコーン」が大好きで、元気を出したいときに読みます。ちなみに、「ピコーン」には、3番の方がご推薦の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」からの引用があります。(わたしも、「世界の終わり・・・」は大好きです)
2、
<内容>
「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」。借金までして一等車に乗った百田百閒先生、世間的な用事のない行程を「阿房列車」と名付け、弟子の「ヒマラヤ山系」を共づれとして旅に出た。珍道中のなかにも、戦後日本復興の動きと地方の良俗が描き出され、先生と「ヒマラヤ山系」の軽妙洒脱な会話が彩りを添える。読書界の話題をさらった名著を新字新かな遣いで復刊。(Amazonより)
川上弘美さんその他、ファンの多い百閒先生の作品の中でも特にファンの多い作品かと思います。「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」の一文でノックアウト。新潮文庫だと第三巻まであります。
元気のない日に読むと、「まぁ、なんとでもなるさー」といい開き直り方ができます。
3、
<内容>
泉は田舎の温泉町から東京に出てきた女の子。「今度こそ幸せになりたい」―そう願って恋愛しているだけなのに。なんでこんなに失敗ばかりするんだろ。アイルランドを自転車で旅したり、ニュー・エイジにはまったり、ストーカーに追い掛けられたり、子供を誘拐したり…。波瀾万丈な恋愛生活の果てに、泉は幸せな“あした”に辿り着くことができるのだろうか?新直木賞作家がはじめて描いた、“直球”恋愛小説。(Amazonより)
「角田さんって辛気臭いから苦手~」という人は割りといらっしゃいますが、そういう方もこの作品は好きみたいです。主人公の恋愛期と、その当時流行った音楽(洋楽)で一話一話が成立しています。直木賞受賞作やノミネート作(多数)ありますが、まだ角田さんの本を読んでいない人・角田さんの小説はどうも受け付けない方には、この作品がおススメです。
読んでいてあまり疲れないので、「何か活字を読みたいけれど頭も心も使いたくない日」に読む本です。
(追記)
2番の方がおススメの「博士の愛した数式」はわたしも大好きで、久々涙した作品ですが、映画と小説では話の展開が違います。小説を読んだ人は、小説のほうが好きという方が多いような気がします。
小説を読み終わった後、すごいと、
思わず、うなってしまう瞬間が数年に一度あります。
そんな小説を3つ紹介します。
ストーリー:海のある中学校に赴任してきた代行教師が
一人の生徒との出逢いをきっかけに変わっていく話。
感想:過去の傷をかかえながら、後ろ向きに生きている
主人公が人の出逢いによって、変わっていくところが
読み終わってとてもよかった。
ストーリー:自堕落な生活を送る青年が主人公で、
ある事件をきっかけに覚醒していく話。
感想:最初は読み進めるのにつらいのだが、読み終わったときの
爽快感というか、読んでよかったと思わせる作品。
吉本ばなな「キッチン」収録「ムーンライト・シャドウ」
ストーリー:恋人を亡くした主人公が百年に一度起こる奇跡に
出会う話。
感想:人は出逢いと別れを繰り返していくけれど、
どんな出逢いでも、会えてよかったと思いたいなぁと
この小説を読んで思いました。
おや、こちらは小説OKですね。
1.芥川龍之介全集
高校の頃文学部に入りました。
理由は簡単、1.友人が部長であった、2.部員になると学校の図書館の奥の書庫に自由に入れる。
これで僕は自分の聖域を手に入れました。小中学校では貸し出しカードに最初に名前を書き込むくらいで満足していたのですが、さすがに少し成長しました。
書庫には読書できるスペースも確保されていて、そこで毎日午後を過ごすことができました。最初に取り組んだのがこれです。私が読んだのは岩波版の分厚い本たちでしたが。全集を読むという作業は、ひょいと本を取り上げてフムフムと読んでみるというのとは本質的に異なる作業です。
作者が全生涯をかけて築いたものに挑むという心構えがいります。・・・・・と読み終わって実感しました。現在はほとんど取り上げられない佳作が宝箱をぶちまけたように溢れ出すのを戸惑いながら受け止めるのです。この後夏目漱石全集から宮沢賢治全集と進みました(これ全部旧字体なんですよぉ)が、ここまでで「全集もの」は高校のサンクチュアリーではおしまいです。別に目標があって、西欧文化の基礎として、ギリシャ神話、聖書、北欧神話を読了することが課題でしたので、そのほかの本も含めてこの辺が3年間の自由読書の限界でしたね。
2.竜馬が行く
と世に棲む日日
と花神
三作まとめてしまい申し訳ないですが・・・・・・・うんにゃ、やっぱり三作セットです。
おおらか快男児のおおらかな革命構想とその突然の挫折の話。誠実で壮大な構想と天賦の才を持つ師と過激で衝動的で天才肌の戦略家の弟子の話、小心で誠実な村医者が学問を志しついには革命を指揮するまでの話。これらは同時平行で進行します。
私は常々司馬遼太郎では、小説より紀行文「街道をゆく」が好きだといい続けておりますので、こちらの紹介をおまけに・・・
3.ポー全集
リンクは「ポー小説全集」となっています。
私はポー全集を30年+α前に読みましたが現在は邦訳はないのでしょうか。とにかく、本来エドガー・アラン・ポーは詩人であることを確認しておく必要がありましょう。「大烏」をあげなければならないでしょうね。小説だけでもその才能の多彩さと精緻さに驚かされます。
さて、番外編ですが・・・・・
そうですね、夢枕獏「陰陽師シリーズ」
清明と博雅の会話は癒されますねぇ
でも、長編で顰蹙を買うようなお粗末な話を書いてしまったのも事実です。やはり作者の風格が違いますね。長編はお勧めできません絶対に。(商業主義!ご都合主義!獏さんは短編を水増しすれば長編になると思っているフシがあります)
そのかわりにコミック版でもお楽しみください。獏さんのいい加減さもたまには良い結果を生むというか、原作に束縛されず自由に書いた岡野玲子さんの陰陽師
これも素敵です。最後に心の中のイメージとコミックという表現形式の狭間で苦悩することになりますが・・・・手塚治虫の子息と婚姻していることは関係ないというべきでしょうが、有形無形の影響を受けていることも否定できないでしょうね。
異邦人が面白そうですね。
別の本で、全ての事柄には必ずしも動機があるわけではない、という台詞があったのを思い出しました。
古い作品のようですが今度読んでみます。
お目出たき人は痛い人の話ですね……。
オリンポスの果実も似たような……。
合わせて読んだらイライラむかむか倍増?