また、その「帯」の何に(フレーズや色など)惹かれたのかという理由も書いて頂けるようお願いします。
チャールズ・ブコウスキー著,青野總訳の『町でいちばんの美女』(新潮社)ですね。「ビートたけし絶賛」と書いてありました。どういうふうに絶賛していたのか,つまりたけしがどんな推薦文を書いていたのかは実は覚えていませんが,ぐぐると「他人事みたいに平気で自分の内臓をさらけだす。ブコウスキー、まるで危ない外科医だね。」といったものだったようです。
ただし,帯単独の効果というよりは,むしろ藤原新也のカバー写真との組み合わせが絶妙だったという気がします。カバーと帯の印象だけで買って,作品の世界にもはまっていったのはこれくらいで,今でも印象に残っています。
桐野夏生『グロテスク』
「誰よりも美しく醜い私の妹。」 / 文庫上巻帯コピー
「光り輝く、夜のあたしを見てくれ。」 / 文庫下巻帯コピー
小説に描かれるドロドロ感をよく示していると思います。
『ブルショット』ガブリエル・クラフト(ミステリアス・プレス文庫)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4151000232/sr=11-1/qid=116531...
表紙がビートルズのアルバムジャケットのパロディになっているのですが(四人の顔が並んでいるやつ。ただしこっちは三人+一頭の犬)、帯の文句はこうです。
「この人たちと犬が事件に巻きこまれます
左→背の低いのが玉にキズのナイスな弁護士、われらがザルマン!
中→パパはとってもコワイ凄腕警部、タイピストのマリー
右→やることなすことヘマばかりのダメ男、フィル
下→ドーベルマンにあるまじき臆病犬、ラザフォード」
そして、帯の裏面には主人公ザルマンの好きなカクテル「ブルショット」の作り方が書いてあります。
「1.ブイヨンをお湯で溶かす。
2.ウォッカを加える。
3.できあがり!」
「○○絶賛!」みたいなステロタイプの帯ばかり見ていたので、これは新鮮でした。
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宮城谷昌光氏の「菅仲」の帯にある「覇者の時代を拓く一本の矢」です。菅仲が放った一本の矢は斉国の太子:小白をねらったもので見事命中するも命をとることは出来なかった。が、その一本の矢は「新しい時代への嚆矢であった」とあります。
「人魚姫・裸の王様」
寺山修司メルヘン全集8/マガジンハウス
●●●本のカバー
ILLUSTRATIONはAkira Uno
人魚姫は右手にあかいバラの花を持ち、魔法使いのお婆さんは意味ありげに人差指を上に指し示している。
周囲にはバンドネオンを演奏する紳士、色っぽい金魚など。
つや消しに加工のされたカバー。
本の帯はシャンパン色。
●●●帯の表
タテ組。
さよなら、あたしの部屋さよなら、あたしの人生
愛されることには
失敗したけれど
愛することなら
うまくゆくかもしれない
それがあたしの愛です
●作中のマルドロールの科白。
その下によこ組で
「きらめきの名作」出版社と価格。
●●●帯の裏
この2つの戯曲を通して見えてくるのは、批評と叙情の人、いや、批評の毒と、乙女の涙の人、
寺山修司の劇世界のエッセンスなのである。
(如月小春・劇作家)
●●●雑感
アンデルセンの物語とストーリーは同じ。
主人公の人魚姫の名前は、マルドロール。
何度読んでも泣けます。
(ワイルドの幸福の王子も何度読んでも泣けるけど。)
シャンパンのようにはじけて消える海の泡のような。
●●●作中の科白より。
あとは思い出も、残らない。
吉野敬介
だからお前は落ちるんだやれ
杉村たい蔵さんも読んだらしいですが
僕らの世代はこれを貸し借りしたりして読んで気合を入れたものです。http://www.amazon.co.jp/gp/product/4845404044
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