TEXを使って、同人誌の編集をしたいと考えているのですが、

texは同人誌の編集には向かないです。あれは主に理系の論文など、通常のワープロでは表現できなかった体裁をコマンドだけで、簡単につくれるようにしたもので、レアイアウト的なものはまったく考えられていません。出力結果をみながら、レイアウトを考えるということができにくいのです。数式がきちっと表現できれば、体裁はかまわないというツールなのです。

だから、Indesignなどのレイアウト、GUI重視のパブリッシングソフトとは対局にあるものです。

文系にはまったく向かないです。

理系の人はtexが扱えるから、それでもいいのですが、文系の人はまず知らないので、編集者がすべての原稿にtexで一個一個命令をいれていくという気の遠くなるような作業をしなければなりません。寄稿者全員がすでにtexを使えない限り、同人誌などにはIndesign互換のワープロなど誰でも使えるものがよいでしょう。

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とりあえず、「tex 同人誌」で検索したら、そのものずばりと思われる以下の書籍に行き着きました。

「TEX同人誌用栄養補助食品」　http://richlab.org/coterie/cmt1.html

読んでいませんので、本の中身については残念ながらコメントはできませんが。

私は数学屋で、日常的にTeXを使用しております。また、同人誌とは少し違うかもしれませんが、学生時代にはサークルで使う作業マニュアルや、学科の新入生用オリエンテーションパンフレットをTeXで拵えたこともあります。

TeXでの同人誌作成作業を想像してみますと、大きな利点の一つは文書のモジュール化が容易な点でしょうか。例えばソースファイルに

\input{bunsyo_taro.txt}

\newpage

\input{bunsyo_hanako.txt}

\newpage

と書きますと、その箇所が「bunsyo_taro.txtの内容を表示して、改ページして、bunsyo_hanako.txtの内容を表示して、改ページする」という内容にひとりでに置き換わります。そのため、太郎さんや花子さんから受け取った原稿をいちいちコピー＆ペーストする必要もありませんし、原稿を差し替える際もbunsyo_**.txtというファイル自体を新しいものに取り替えるだけでことが済みます。

また、文書の整形はTeXのソフト自体がある程度やってくれるという点ではレイアウトにこだわらない人向けと言えるのかもしれませんが、こだわろうと思えば文字の出力位置を微調整することなども（ある程度の知識も必要ですが）可能です。例えば「目\hspace{5mm}次」と記述すると「目」と「次」の間隔をきっかり5mmだけ空けてくれます。

ただ、TeXならではの表記法というものもありまして、例えば通常モードではTeXのソースファイルに「改行」一つだけを入力しても仕上がりではその部分に改行が入らず、「改行」二連続（改行後に行頭をマス空けしたい場合）もしくは「\\」（行頭をマス空けしたくない場合）のどちらかを使用しなければなりません。そのため原稿を手分けして書く場合、全員にこの手のルールを徹底するか、前の方も書いておられたように編集者がTeX表記法に一つずつ手直ししていく必要が生じます。

まとまりがなくなってきましたが、一言で「同人誌の編集」といっても様々な状況が考えられますので、TeXが適しているかどうかは状況の詳細によって変わってきます。

とりあえず、ご自身がTeXに何を期待しておられるのかを念頭に置いた上で、ウェブ上のTeX紹介サイト、例えば「入門TeX」http://grace.ceser.hyogo-u.ac.jp/tex/　などをご覧になってみてはいかがでしょうか。